2013/09/11

Finney教授から教わったこと

今期に入りManaging Work RelationshipというLeadershipに関係する授業をとっている。看板教授の一人、Michael Finneyが教鞭を振るう。今日は授業中に自分自身をどう他者にメッセージングしていくか、という議題だった。いわゆるPersonal Brandingを如何に施すか、という内容。その中で教授はこう説いていた。「人間はえてして自分を描写し相手に伝える時に自己を過大評価してしまう傾向にある、故にその傾向を理解した上で人と接することが必要だ」と。特に上司から部下に、同僚から同僚にメッセージが送られるときは特にこの傾向が強いようだ。更に教授はアジア人の自己を謙遜し、過小評価することがある傾向を引き合いに出した上で、「自分を過大評価する事も、過小評価することも望ましくない。特にビジネスのシーンにおいては尚更だ。我々は自分が誰なのか?何者なのか?をしっかり把握した上で、ありのままでいることが大事だ」と言っていた。


ビジネススクールではよくも悪くも、個々人のブランドが問われてくる。皆言葉にしないが常に自分が他人からどう見られているのか?を気にしているし、気にする事も重要だと思う。ビジネスマンとして自分の評価を管理する事は価値があることだと思うからだ。しかし今日ふと思ったことがある。自分のブランドを管理する事は自分をマーケティングする為。では、自分をマーケティングした結果何が生まれるのか?何の為にビジネススクールで自分をマーケティングする必要性があるのか?ビジネスの仲間を見つける為、友達に知り合いの会社を紹介してもらう為、スタディグループで自分が組みたい人と組む為、など色々考えられる。でも、こうして挙げてみると、自分の長い人生の尺に立った時、少しちっぽけな印象も受ける。自分の人生に取って最もプラスになることは、ここでしかできないチャレンジだと思うからだ。自分のブランドを気にすることよりも、自分が誰なのか?何者なのか?何ができるのか?何ができないのか?を今一度冷静に見つめ、チャレンジを続けること、そこから学ぶ事こそに価値がある筈だ。


失敗するリスクをtakeし、何かを学ぼうとする姿勢を失った瞬間にここThunderbirdにいる意味はないと、Finney教授から教わった気がした。


2013/08/29

日本への帰国、そしてインターンシップを経験して

ケニアでのプログラムを終えた後、約2ヶ月半の間に日本に帰国していた。某米系ヘルスケア企業でのインターンシップが目的だった。


まず久々に帰った日本は素晴らしかった。ご飯は美味しく、治安は良く、人々のマナーは良く、海外から戻った日本はどこか平和な雰囲気にも包まれている感じがした。身の危険や外部からの危害を心配すること無く生活できるこの日本の環境は稀で、誇らしく感じた。


インターンでお世話になった会社はとても素晴らしい企業文化を持っていた。人々は皆口を揃えて、people are smart and niceと自らを評していたが正にその通りだった。仕事をしていて幸せだなとすら感じる環境があった。これはおそらく論理的ではなく直感的にそこで働く人々やカルチャーにフィットする感覚を持てたからだと思う。また一緒にインターンができた仲間も素晴らしく気持ちのいい人達ばかりだった。自分自身、わずか2ヶ月だけでもここまでフィットする組織に属せたのはラッキーだったとしか言いようがない。そして、そう感じることの要因となった周りの人々には感謝してもしきれない。


インターンでは実際のビジネスケースをプロジェクトとして任され、プロジェクトのリーダーとして会社が持つ課題を解決する提案を行った。企業情報の為プロジェクトの詳細は書けないが、一言でその感想を言うと「とてつもなくいい経験ができた」だと思う。実際のビジネスケースを扱うと自分のどこに課題があるのかが丸裸にされるため、それと向き合いながらprojectを進行させていくこのインターン過程は正直かなりchallengingだった(苦笑)


Global Companyでのprojectを成功させる為には様々なcapabilityが求められると思う。自分なりの解釈としては「あらゆる顧客・関係者と協業できる力(Interpersonal skill)」と「戦略的アプローチによる深い洞察力(Strategic & Analytical Thinking skill)」が必要不可欠だと思った。更にそれらの積がレベルの高いLeadershipを生む。更に提案をoutputするpresentation skillも大事だし、またこれら全てのskillのbaseには高いレベルのcommitmentとownershipが必須だ。


僕はこのインターンを通じてこれらのどの部分が自分の持つ僅かな強みで、そして今後どの部分を克服すべきかが客観的に捉える事ができた。また今後、それらの課題を如何に克服していくかのplanもしっかりと描くことができた。このplanを描く為にインターン先の社員の皆さんからもらったFeedbackの数々が多いに役に立った。


MBAの2年目はこの課題克服に時間を費やしていきたいと思う。Global Companyの第一線で活躍する方達のレベルは予想以上に高かったし、自分がまだそのレベルに達していないということもよく分かった。でもこの学びこそがインターンで得られた最大の成果だったのかも知れない。


数日前にアリゾナに戻り、今は新学期に備えている。2年目は自分自身のやりたいこと、すべき事に集中して、時間をうまく使っていきたいと思う。もう渡米してから早1年、自分を取り巻く環境がどんどん変わってきている。日本にいた頃はアメリカ→中国→ケニアを渡りながら勉強する事も想像できなかったし、外資系企業でインターンすることも想像していなかった。これからも自分が想像もしないチャンスが巡ってくるかも知れないと思うと本当にワクワクする。そしてそのチャンスを掴めるようにしっかりと準備をしていきたい。

2013/05/31

ケニアで経験したこと

久々の投稿となってしまった。China Moduleを終えた後、Summeriumというプログラムに参加し、アフリカはケニアに降り立ち、アフリカのビジネス環境やケニアのカルチャーについて学んだ。


まず一言でケニアの市場を表すとそれは「日本人が想定している以上にケニア(特にナイロビ)は発展している」ということだと思う。ケニアの市街地にはオフィスが建ち並び、多くの車が道路を賑わせ、ビジネスマンが携帯電話を片手にビジネスをしている。ケニアは今まさに猛烈な勢いで加速途上を遂げている最中だった。僕達は現地のGE, Nestle, Unileverといった著名なMNCsを訪ねビジネスの環境やBOP(Bottom of Pyramid)市場についてレクチャーを受けた。いずれの企業人も皆口を揃えて「アフリカの未来は明るい。今このタイミングでビジネスのベースを作っておけば15年後、20年後に企業収益の中核を担う市場へ発展する」と唱えていた。


また、ケニア現地の農業ビジネスを展開する企業や通信企業、そしてマイクロファイナンスを営むPEファーム、欧州中央銀行にも往訪した。みな様々な角度からアフリカ、ケニア市場をするどく分析し、その会社独自の解釈からビジネスチャンスをシェアしてくれた。


勿論、アフリカ市場独自の挑戦や困難も立ちはだかる。例えば、民族問題。ケニアには民族が幾つも共存している。最大のキクユ族が占める割合ですら22%と3割にもみたない。拠って、国政は混乱が生じるケースも多発する。例えばケニア危機では大統領選後の2007年から08年にかけて約1100人が死亡した。先の2013年の総選挙でも少なからず警官が発砲され死亡するケースも起こった。しかしケニアでは治安維持に向けて絶えず改革が続けられ国を挙げて治安安定に取り組んでいる。ビジネスの観点から言えば、この治安維持はまず間違いなく解決されなくてはならない命題である。


更に僕達はナイロビ最大のスラム地域にも見学に行った。街には土で作られた住居が所狭しと立ち並び、貧困と飢えと戦う人々の姿があった。しかし、彼彼女は僕達を笑顔で迎えてくれた。苦しい生活の中でも多くを望まず、大切な家族やコミュニティーの人達と日々を明るく暮らせることへの感謝を大事にしていた。「本当の幸せとは何なのか?」という問いを投げかけられている気がした。勿論、犯罪やレイプ、エイズといった問題は確かに存在する。しかしその一方で笑顔で毎日の生活を送る人達の姿は多くの衝撃と学びを与えてくれた。貧困を無視してはいけない。しかしながら貧困の中にある幸せを無視してもいけないと強く感じた。


アフリカにはまだまだ沢山の問題がある。インフラや株式市場の整備、環境問題、自然災害、そして犯罪、治安問題...etc しかしそれでも僕はアフリカに大きな可能性を感じた。それは恐らくアフリカの、ケニアの人たちの底抜けな明るさから来てるのではないかと感じた。彼らは非常に考えが柔軟で、ハングリー精神が強く、加えてフレンドリーで、公用語として英語を難なく使いこなす。宗教心が熱く、今日より明日、明日より明後日に必ず状況は良くなると常にプラス思考で物事を考える習慣がある。ケニアには中国企業が早くも進出を加速させビジネスの基盤を築こうと躍起になっている。日本もその動きにキャッチアップすべく、アフリカ市場にどんどんと今後進出していく企業が増えると思われるし、そうでなければいけない。


このSummeriumではThunderbirdの持つネットワークの広さに驚いた。いく先々の企業で卒業生が迎えてくれたり、アフリカで活躍するサンダーの非アフリカ人の方々のパーティに参加させてもらったりと至れり尽くせりだった。また途中二日間、マサイマラ族の方達と触れ合った。ケニアのカルチャーはとても奥が深く、毎日が刺激と新しい発見の連続だった。アフリカ大陸初上陸の旅はとてつもなく貴重な経験となった。


(ナイロビ最大のスラム地域キベラで出会った子供達と)

(マサイマラ族の女の子と。グラサンを反対にかけている。笑)

2013/04/18

中国・北京に移ってみて

今、僕は中国の北京にいる。Module AbroadというTBirdの看板プログラムの一つで学期半分を北京大学のキャンパスで学ぼう、というコースに参加している。北京に移り住んで早1ヶ月が経過した。この間、数えきれない程の刺激を得ている。Regional Business Environmentという授業でインド・中国経済の歴史と現況を学び、北京の他のビジネススクールの学生と交流を持ち、現地のビジネスパーソンやローカルの人々と数多くの出会いを果たした。その結果、僕のマインドセットは大きく変容を遂げた。もっとアジアを、もっと中国を知りたい、学びたいと強く思うようになった。


中国と日本の関係は歴史的背景から今も尚、数多くの問題を抱えている。尖閣諸島の問題を筆頭に今後も未解決の問題に取り組んで行かなくてはならない。しかしその一方で、日本が見逃しているものがこの国には存在する。日本が数十年前に経験したバブル経済が今まさにこの国に在る。通りを歩けば人の活気で溢れかえり、繁華街にいけば購買意欲の高い消費者が買い物を楽しむ。富裕層の集まる通りに行けば、日本の銀座以上の数の高級車が忙しなく道路を駆けて行く。大学キャンパスに戻れば懸命に勉強する学生の姿があり、自分と家族の将来の為にハングリー精神を燃えたぎらせている。この国には日本が失ってしまった「勢い」がある。今まさに目の前で経済が、人が、教育が、動き続けている。


勿論、数多くの負の面も見て取れる。東西の貧富差、インフレ、社会保障制度不安、大気汚染。。。しかしながら、その負の面に隠れた姿を見逃すこと程に惜しい事は無い。この数十年で経済成長を遂げたという事実は揺るがない。政治体制や国民を批判することに終止するのではなく、日本以上に競争力を付けたこの国とこの先どう渡り合い、どう競争し、どう協力していくのかという未来を描いて行くチャンスが今到来している。そしてそのチャンスを掴めるのは僕達の世代なんだと思う。


今、時代は動いている。

2013/03/05

Thunderbirdに来てみて

Cross Cultural Communicationの授業で課されているグループワークを終えて部屋に戻ろうとしたらインド人のクラスメートに声をかけられた。「Taka, ペーパーのeditが終わってメールで送ったんだけど見てくれた?」と。そのインド人の彼とはGlobal Marketing Managementという授業でチームを組んでいる。今は学期前半の佳境に差し掛かっており忙しさが増してきた。グループワークが重なるなんてことも日常茶飯事だ。そのインド人と立ち話して、結局そのまま彼の部屋でPaperの結論部分を一緒に再考することになった。そして部屋の中に入るとクウェート人、アメリカ生まれの中国人、そしてインド人の3人が何故か彼の部屋でグループワークをしていた。その3人はThunderbird Emerging Markets Business Associationというクラブのメンバーで、次のイベントの内容を打ち合わせていた。僕のインド人のチームメイトはそんなことお構いなしに話をし始める。一部屋で2グループが別々のタスクに取りかかるという客観的に見るとカオスな状態に。これ、あり得へん状況やな(笑)と思ったが意外とスムーズに進んだ。それぞれのタスクが終了したあとそのまま5人で語る。宗教の違いや言葉の違い、それに学内の異性の誰に興味があるか?という高校生のような幼稚なトピックも飛び交う。笑


実はサンダーではこういう光景はあまり珍しくない。サンダーにいると本当にここはアメリカなのか?と疑いたくなる感覚になる。本当に国際色が豊かだからだ。そしてこの環境がとても心地良い。学内の食堂に行っても毎日色んな国から来た学生とランチをする。そしてその国について色々な知見を得る。深刻な政治問題、ビジネストレンドからその国のトイレのあり様まで。笑 これまでの人生を通してこれ程までに海外の諸国を身近に感じたことは無かった。世界は本当に広い。でも世界は意外と思っている以上に小さいんじゃないかと思わせてくれる、それがサンダーバードという場所なのかも知れない。




写真は学内にあるパブ(通称 Thunder Pub)。授業が一段落する木曜日の夜は毎週ここに沢山の学生が集まり交流する。というかハジける。笑 みんなここで軽く楽しい話をして顔見知りになる。その数日後にキャンパスで見かけて、少し真面目な話をする。その後は食事に行ったり、冗談を言い合ったり、時には母国に残してきた彼女の相談を受けたりする。笑 このPubのコンセプトは素晴らしいと思う。アメリカ文化の真骨頂、ということで最初は上っ面な社交場だなと思っていたが(苦笑)、最近はそういうややこしい感情も放置する術を覚えてきた。というよりも本当に細かい事が良い意味で気にならなくなってきた。


MBAで学べるほとんどの授業、とくにハードスキルと言われるFinanceやAccountingは日本国内でも学べる。いやむしろ国内で学んだ方が英語の障害を背負わずにすむ為効率がいい。でも、この「世界に身を浸しながら学ぶ」という経験は日本では得られなかった。こちらに来てまだ約7ヶ月だが、日本にいた頃には考えられない程に自分の中の「ものの感じ方」が変わって行く。そしてThunderbirdを選んで本当に良かった。世界中から来たいい奴に囲まれている。毎日毎日勉強で疲れても、英語が聞こえず満足に話せずたまに落ち込んでも、次の日学校に行くと色んな国の友達が「Takaクン、チョウシドウ?」と覚えたての日本語で迎えてくれる。笑 「サイコウやで」って返答して、また新しい一日にチャレンジする。

2013/03/01

最近思うこと

二学期の前半も大詰めに差し掛かってきた。あと二週間もすればフェニックスを離れ、中国でのプログラムが開始される。北京大学内の寮に住み、約2ヶ月学ぶ。更に殆どの2年生はこの学期で卒業する為、中国から帰ってきた時には皆もうキャンパスにはいない。普段からお世話になっている日本人2年生の先輩は当然の事、仲良くなった文字通り世界中から集まった仲間が卒業していくのは実に寂しい。自分を助けてくれた、励ましてくれた、真剣に議論をした、時には一緒にバカをした面々の顔が浮かぶ。みんなまた世界中に散らばって行く。その後はもう会いたくてもそう簡単に会う事はできない。みんな仕事を再会させ、家族との時間を優先させることになるからだ。それを知ってか2年生のみんなは精一杯、日々を充実させ、楽しもうとしているように見える。


近頃、「自分はどこに向かうべきか」ということを頻繁に考える。「自分はどうゆう人間で何に喜びを感じ、何の分野で世界をほんの僅かでもよくしていきたいのか。」キャリア形成という命題とは全く異なる観点で自分の根源的欲求と行き先を模索する。今まで積み上げてきた価値観を一旦横に置いて、もう一度ゼロからの思考が其処にある。いやむしろ今までの価値観をどんどん壊していく作業をしてる感覚。サンダーバードには幸いにもステレオタイプを壊すことができる機会、未体験の経験を得るチャンスが沢山ある。そうした建設的な破壊活動から新たな自分を発見する機会に恵まれる。


二週間後にはもう北京にいる。そこでまた中国やアジアに関する自己の先入観を壊し、再構築していきたい。そしてまた自分の将来の軸に関する思考を別軸で考える。最終的には自分のキャリア形成と根源的欲求が一致する道を卒業後に選びたい。それまでは悔いの残らないようにサンダーバードで精一杯、頭と身体を使ってこの破壊と創造の過程を楽しんで行きたいと思う。最近思う、自分にとってMBA留学はキャリア形成、勉強以上のものだなと。人の一生は限られている。それ故にどう生きるかを真剣に考えないと勿体無いとつくづく感じる。

2013/02/06

Diversity(多様性)とinclusiveness(包含性)とは何か?

今学期にとっている授業のひとつにCross Cultural Communicationというものがある。端的にいうと異文化の中で如何にリーダーシップを発揮するか、その為に如何にコミュニケーションをとるかを学ぶ授業。Thunderbirdでも有名な授業のうちのひとつで、徹底的にビジネスにおける異文化コミュニケーションとは何なのかを学ぶ。


今日は授業でdiversity(多様性)inclusiveness(包含性)の違いについての説明があった。近頃はビジネスシーンにおいてやたらとダイバーシティが叫ばれる。多様性を認めよう、多様性を会社内に確保しようといった具合に。しかし、多様性とはそもそも何なのか?という定義がまだ曖昧な気がする。更にはその多様性を有効にビジネス上の戦略に落とし込めている会社は多くないと思う。


実際に授業でも「あなたにとってのダイバーシティとは何か?」という考えをディスカッションした。僕は隣の席にいたインド人に「自分にとってのダイバーシティは単に国籍や異文化だけではなく、性別やバックグラウンド、考え方に至まであらゆる違いを共存させることだと思う」と答えた。しかし答えた後に何か少し胸のあたりに気持ちの悪さを感じた。「なんか口先だけで模範解答を言ってしまったな」と。その後、教授が急に口を開く。「じゃあinclusiveness(包含性)って何なのか?」するとみんなが一斉に意見を言う。「Inclusivenessとは単に違いを確保するだけではなくて、違いを認め合い更にはその違いを元に何かをクリエイトすることだ」、「違いを認め合うだけじゃなくて強みに変えることだ」と。ご尤もな意見だった。


その後、議論は思わぬ方向に進む。ある学生が口火を切る。「教授、ThunderbirdはDiversityはあるがInclusivenessはまだまだ不足してるんじゃないか?いつも同じチームとばかりプロジェクトを組む学生がいる。このクラスは教授によってランダムにチームが組まれるからいいが、Thunderbirdはもっとinclusivenessを生む努力をしなければならないと思う。学校をもっと良く変えていく必要がある」 この発言に対して別の生徒が反論する。「ビジネスシーンでは信用が大切。仕事を通じて周りに貢献できなければチームメイトの信用を失う。ビジネススクールはそのFoundation(素地作り)作りだと思う。僕達はDiversityを認めている。でもだからといって常に誰でも常にウェルカム、という訳にはいかない。常に貢献し、結果を残し続けなければ周りからは相手にされなくなる。今僕達はビジネスシーンに出る為の訓練をしているんだ」 するとまた、議論を開始した学生が一言。「サンダーバードでは多様性なんか認めていない。それは少し上辺な意見な気がする。」と。おそらくこの学生はもっと他に言いたいことがあったのだと思う。何かを感じながら学生生活を送っているのではないかと推測した。


僕はこれらの意見の両方にサポートする視点があった。確かにビジネスシーンでは信用は大事だし、周りと協調できなければいつかは誰も振り向いてくれなくなる。しかし、ThunderbirdのDiversityはまだまだ発展途上だし、Inclusivenessに昇華しきれていないとも感じる点があった。上記の学生が言う通り、実際いつも同じグループで固まる(これは授業以外、という意味で)学生が存在することも事実だし、特定の国籍で群れる学生達も存在する。更にはアメリカ社会で囁かれる目には見えない境界線のようなものも少なからずあるのかも知れない。


僕個人の意見としては、サンダーバードは間違いなく多様性を認めているし、Inclusivenessを確保しようと様々な取り組みを行っていると思う。そしてそれを僕自身評価している。更にはアメリカ人、インターナショナルの学生全体を見てもフレンドリーな学生の数は圧倒的に多いし、そのお陰で楽しさを感じる瞬間が多々ある。一方で、日本にいた頃と同じように何も不自由無く、何も意識せず生活できるか?と言うとそれはただの嘘になる。しかしながら、そういった様々な「ボーダーのようなもの」を越えていけるか否かは最終的には「個人の一歩」に掛かっていると思う。同じ国籍で群れようと思えばいくらでもできるし、ひたすら母国語で生き延びようと思えばそれすらも可能だと思う。しかしそれをしてしまっては、僕にとってのアメリカで生活している意味がなくなってしまう。僕は世界を学びに来ているし、アメリカも中国も韓国も他の国のことも出来る限り理解したいし、好きになりたい。そんなに甘くない、という意見も承知の上で。。。でも、そうした比較対象を正確に持つ事が最終的に「日本」を再考するソースになると思う。


授業の終盤で教授がこう言った。「OK。この議論はもの凄く重要でみんなにとって意味がある。もし今、Thunderbirdが多様性はあるが包含性に欠けているとすれば、それは何故か?そしてどうすれば克服できるか?を次回議論しよう。」普段は冗談を連発する明るい教授の顔つきが、この議論が始まってからもの凄く真剣になっていた。僕がThunderbirdを好きな理由として、こういった重要かつ繊細な問題からも目をそらさずに真剣に取り組むところが挙げられる。学生も教授も学校運営側もGlobal/Internationalについて徹底的に向き合っている。


次回の授業までに解決策を考え、授業で自分の意見をシェアしようと思う。次の授業がとても楽しみだ。




(授業で流されたBASFという会社のDiversity/Inclusionに関する映像)

2013/01/30

Regional Nightで経験したLeadershipについて

以前ここに書いたRegional Nightでの出し物について、日本にいる友人からその模様を見せて欲しいとリクエストをもらった。当日撮影してくれた台湾人の友達がYoutubeにアップしてくれたのでここに載せたい。流行りのももクロや一昔前に話題を呼んだDJオズマなどはスルーし、敢えてのマツケンサンバで勝負。(残念ながら学校の規定が変わり、目論んでいた和太鼓演奏は中止になってしまったが。。)






そもそもこのRegional NightとはThunderbirdにおける恒例行事のひとつで、今回はAsian Nightだった。中国、インドに始まり日本やタイなどアジア諸国の学生が自国の文化を伝える出し物を展開する。他にEuropean NightやAmerican/African NightなどがあるがAsian Nightが一番人気だそう。当日も会場は学生、教授スタッフ、その家族の皆さんでごった返していた。推測するに、Nativeの学生はInternationalを売りにしているThunderに来る程なので、自国から遠く離れたアジア文化には一層の興味があるのだと思われる。よってこのAsian Regional Night、国のプレゼンスをアピールするには絶好の機会なのである。お祭り好きの僕が気合いが入らないわけがない。笑 


そして今回、一年生にも関わらずJapan Clubとしての出し物のリーダーという大役を任せてもらう事になった。メンバーは日本人のみならず台湾人3名、タイ人1名を含めていたためコミュニケーションはほぼ英語。自分の弱点が分かったという意味も含め、Leadershipの観点からもの凄くいい経験をさせてもらった。以下に簡単に振り返っておきたい。


出し物の内容
  • やったこと:マツケンサンバのみだと味気ない気がしたのでチャンバラを追加。最後にExileのChoo Choo Trainのキメを持ってくる。同期や2年生の先輩から貴重なアドバイスをもらい最終的な構成に至る。
  • 学んだこと:メンバーの意見を募りまくる!ことが効果的。叩き案さえつくればあとは議論をファシリテートすることでCreativityに富んだアイデアが生まれてくる。このファシリテーションにはまだ疎いので今後更に勉強していきたい。

練習スケジュール
  • やったこと:当日とテスト期間が重なったこと、総勢10名を越すメンバー数となったことを受け、調整が大変になる。が、ここは「決め」の問題だと判断し先に全体スケジュールを決めてメンバーにアナウンス。
  • 学んだこと:ほぼ全員が決められた日時に参加してくれた。全員の都合を調整することはほぼ不可能と早めに判断し、早めにアナウンスしたことが吉と出た。逆にメンバーの方には忙しいスケジュールを調整してもらったり、プライベートや家族との時間を割いてもらったりと負担を生じてしまい申し訳なかった。

タスクの割り振りと練習内容
  • やったこと:チャンバラは大学で剣道部に所属していた同期にほぼ全ての構成を依頼。浴衣の手配、小物の制作などもクラブの代表やメンバーとその家族!(Aさん、本当にありがとうございました)に依頼。結果、自分は振り付けの練習と進捗管理に専念。
  • 学んだこと:大きなプロジェクトの場合はタスクを細かく分けて他のメンバーに協力を依頼する(巻き込む)ことが効果的だった。当初、すべてを自分で抱えようとしてしまっていた為に、逆に練習の下準備が疎かになりクオリティも上がらず迷惑をかけてしまった。協力を依頼してからは全体の練習クオリティも上がり結果として、成果が上がった。

メンバーからのコミットメントの求め方
  • やったこと:出来る限り自身で振り付けを固めてから練習に挑んだ。更にメールは小まめに送り、英語でも自分の気持ちを伝えるようにした。
  • 学んだこと:相手が外国人であれ日本人であれ本気度を見せてそれを相手に伝える努力をすれば伝わる、ということを学んだ。しかし同時にこれがアメリカ人やインド人などを含めた場合はまた困難さが膨らむんだろうなと推測。

今後の課題
  • 最後のポイントに関してコミュニケーションの方法を多様化する必然性を痛感する。2年生の先輩から「Takaはパッション・共感型のリーダーシップを取るんだな」と冷静に分析されたことがきっかけ。笑 振り返れば、論理的に説明し、疑問点を払拭し安心感を相手に与えることでフォローを募る、というリーダーシップの取り方を用いてなかった。というよりも、その点に関する問題意識も持っていなかった。そしてまだうまくそれを実行するに足りる自信がないと感じた。自分の特徴や傾向を掴んだ上で相手によってコミュニケーション方法やリーダーシップの取り方を変えていくことは今後の課題である。リーダーである時ほど、自分を客観視することで常にリーダーとしてのクオリティをチェックしなければならないと痛感した。


以上、ただの祭り事のように見えて(笑)実際はとてつもなく貴重なTake AwayがあったRegional Nightだった。そして素晴らしいチームメートに恵まれて本当に幸せだった。至らない自分をサポートしてくれたことには感謝してもしきれない。


因みに一番嬉しかったのはダンスが終わって外に休憩にいく途中、普段あまり話さないアメリカ人のクラスメートが遠くからわざわざ近寄ってきて「Hey Taka, You are awesome, seriously!! I really enjoyed it. Thank  you so much, man!!」と声をかけてくれた時だった。あの時握手された時に痛んだ手の感触はきっと忘れない。

2013/01/27

二学期開始にあたって

明日から本格的に2学期が始まる。自分のパフォーマンスを上げてやるぞという意気込みからくるワクワク感と、またあのハードな毎日が来るのかという恐怖感を丁度半分ずつ持ち合わせながら。


1学期が終わって以来、まずLAに行きEntertainmantに触れた。その後、タイに行きThunderbirdのタイ人クラスメイトから「リアルなタイ」を教えてもらった。タイでの濃密な時間はおそらく一生忘れる事は無いと思う。人に親切にするということがどういうことなのか、をこのタイ人の友達から教わった。そしてタイ文化の奥行きの広さと「市場としての」タイのポテンシャルを見せ付けられ、ショックを受けた。ユニクロCEOの柳井氏が著書"現実を視よ"で言っていた「アジアの勢い」は本物だった。次の機会ではインドネシア、シンガポールに行こうと思う。


その後少しだけ日本に戻り、家族や友人と年始を過ごした。「外から入り直した」日本はとても素晴らしい国だった。ご飯やサービスのクオリティ、街のキレイさ、文化の美しさなど、以前は当たり前だったことが異様にも思えた。そして家族、友人、恩師に会い自分の置かれている環境が如何に恵まれたものであるかを再確認した。


そしてアメリカに戻りWinteriumという2週間のプログラムに参加。アメリカの西海岸における起業家風土に身を浸らせた。この時の模様はThunderbirdのJapan Club Blogに書かせてもらった。途中Winteriumを抜けて、この夏インターンシップをさせてもらう某米国ヘルスケア企業のmeet up eventに参加した。そこでは国際市場の第一線で活躍する多くの方々と話し、グローバルカンパニーの人材力と組織力の強さ、そして素晴らしい企業文化に触れた。


この一ヶ月は自分が過去に経験した事の無い程、多くの学びを実体験として積ましてもらった。その経験を終えて最終的に出てきた問いは「自分は将来どう生きたいのか?」という根本的なこと。世の中にはまだまだ知らないことが山積みされており、知れば知る程自分の無知を思い知らされる。そして世の中に存在する色んなチャンスや問題を発見する。その発見を通じて自問自答するに至る。自分は何に取り組むべきか、その為に今何を学ぶべきか。何に時間を費やすべきか。そういった重要な問いに再度向き合う事になったこともチャンスと捉えて考えていきたい


そして今。明日からまた怒濤のようなMBAの日々が始まる。世界中から集まるクラスメートと意見を交わし自分を更にレベルアップさせていきたい。日本人としての意見を下手な英語でも臆する事無く発していく事を自分に誓う。一つだけ確かなのは、チャレンジングな状況になればなるほど自分は成長していけるということ。MBA生活もあと約1年半。この恵まれた期間を無駄にすることなく学び、ヘタレな自分の尻を叩いていきたい。


と、これを書いているうちに恐怖ではなく次第にワクワクの方が大きくなってきた。ブログを書く時間も大事だなと再確認する次第。笑