2013/09/11

Finney教授から教わったこと

今期に入りManaging Work RelationshipというLeadershipに関係する授業をとっている。看板教授の一人、Michael Finneyが教鞭を振るう。今日は授業中に自分自身をどう他者にメッセージングしていくか、という議題だった。いわゆるPersonal Brandingを如何に施すか、という内容。その中で教授はこう説いていた。「人間はえてして自分を描写し相手に伝える時に自己を過大評価してしまう傾向にある、故にその傾向を理解した上で人と接することが必要だ」と。特に上司から部下に、同僚から同僚にメッセージが送られるときは特にこの傾向が強いようだ。更に教授はアジア人の自己を謙遜し、過小評価することがある傾向を引き合いに出した上で、「自分を過大評価する事も、過小評価することも望ましくない。特にビジネスのシーンにおいては尚更だ。我々は自分が誰なのか?何者なのか?をしっかり把握した上で、ありのままでいることが大事だ」と言っていた。


ビジネススクールではよくも悪くも、個々人のブランドが問われてくる。皆言葉にしないが常に自分が他人からどう見られているのか?を気にしているし、気にする事も重要だと思う。ビジネスマンとして自分の評価を管理する事は価値があることだと思うからだ。しかし今日ふと思ったことがある。自分のブランドを管理する事は自分をマーケティングする為。では、自分をマーケティングした結果何が生まれるのか?何の為にビジネススクールで自分をマーケティングする必要性があるのか?ビジネスの仲間を見つける為、友達に知り合いの会社を紹介してもらう為、スタディグループで自分が組みたい人と組む為、など色々考えられる。でも、こうして挙げてみると、自分の長い人生の尺に立った時、少しちっぽけな印象も受ける。自分の人生に取って最もプラスになることは、ここでしかできないチャレンジだと思うからだ。自分のブランドを気にすることよりも、自分が誰なのか?何者なのか?何ができるのか?何ができないのか?を今一度冷静に見つめ、チャレンジを続けること、そこから学ぶ事こそに価値がある筈だ。


失敗するリスクをtakeし、何かを学ぼうとする姿勢を失った瞬間にここThunderbirdにいる意味はないと、Finney教授から教わった気がした。


2013/08/29

日本への帰国、そしてインターンシップを経験して

ケニアでのプログラムを終えた後、約2ヶ月半の間に日本に帰国していた。某米系ヘルスケア企業でのインターンシップが目的だった。


まず久々に帰った日本は素晴らしかった。ご飯は美味しく、治安は良く、人々のマナーは良く、海外から戻った日本はどこか平和な雰囲気にも包まれている感じがした。身の危険や外部からの危害を心配すること無く生活できるこの日本の環境は稀で、誇らしく感じた。


インターンでお世話になった会社はとても素晴らしい企業文化を持っていた。人々は皆口を揃えて、people are smart and niceと自らを評していたが正にその通りだった。仕事をしていて幸せだなとすら感じる環境があった。これはおそらく論理的ではなく直感的にそこで働く人々やカルチャーにフィットする感覚を持てたからだと思う。また一緒にインターンができた仲間も素晴らしく気持ちのいい人達ばかりだった。自分自身、わずか2ヶ月だけでもここまでフィットする組織に属せたのはラッキーだったとしか言いようがない。そして、そう感じることの要因となった周りの人々には感謝してもしきれない。


インターンでは実際のビジネスケースをプロジェクトとして任され、プロジェクトのリーダーとして会社が持つ課題を解決する提案を行った。企業情報の為プロジェクトの詳細は書けないが、一言でその感想を言うと「とてつもなくいい経験ができた」だと思う。実際のビジネスケースを扱うと自分のどこに課題があるのかが丸裸にされるため、それと向き合いながらprojectを進行させていくこのインターン過程は正直かなりchallengingだった(苦笑)


Global Companyでのprojectを成功させる為には様々なcapabilityが求められると思う。自分なりの解釈としては「あらゆる顧客・関係者と協業できる力(Interpersonal skill)」と「戦略的アプローチによる深い洞察力(Strategic & Analytical Thinking skill)」が必要不可欠だと思った。更にそれらの積がレベルの高いLeadershipを生む。更に提案をoutputするpresentation skillも大事だし、またこれら全てのskillのbaseには高いレベルのcommitmentとownershipが必須だ。


僕はこのインターンを通じてこれらのどの部分が自分の持つ僅かな強みで、そして今後どの部分を克服すべきかが客観的に捉える事ができた。また今後、それらの課題を如何に克服していくかのplanもしっかりと描くことができた。このplanを描く為にインターン先の社員の皆さんからもらったFeedbackの数々が多いに役に立った。


MBAの2年目はこの課題克服に時間を費やしていきたいと思う。Global Companyの第一線で活躍する方達のレベルは予想以上に高かったし、自分がまだそのレベルに達していないということもよく分かった。でもこの学びこそがインターンで得られた最大の成果だったのかも知れない。


数日前にアリゾナに戻り、今は新学期に備えている。2年目は自分自身のやりたいこと、すべき事に集中して、時間をうまく使っていきたいと思う。もう渡米してから早1年、自分を取り巻く環境がどんどん変わってきている。日本にいた頃はアメリカ→中国→ケニアを渡りながら勉強する事も想像できなかったし、外資系企業でインターンすることも想像していなかった。これからも自分が想像もしないチャンスが巡ってくるかも知れないと思うと本当にワクワクする。そしてそのチャンスを掴めるようにしっかりと準備をしていきたい。

2013/05/31

ケニアで経験したこと

久々の投稿となってしまった。China Moduleを終えた後、Summeriumというプログラムに参加し、アフリカはケニアに降り立ち、アフリカのビジネス環境やケニアのカルチャーについて学んだ。


まず一言でケニアの市場を表すとそれは「日本人が想定している以上にケニア(特にナイロビ)は発展している」ということだと思う。ケニアの市街地にはオフィスが建ち並び、多くの車が道路を賑わせ、ビジネスマンが携帯電話を片手にビジネスをしている。ケニアは今まさに猛烈な勢いで加速途上を遂げている最中だった。僕達は現地のGE, Nestle, Unileverといった著名なMNCsを訪ねビジネスの環境やBOP(Bottom of Pyramid)市場についてレクチャーを受けた。いずれの企業人も皆口を揃えて「アフリカの未来は明るい。今このタイミングでビジネスのベースを作っておけば15年後、20年後に企業収益の中核を担う市場へ発展する」と唱えていた。


また、ケニア現地の農業ビジネスを展開する企業や通信企業、そしてマイクロファイナンスを営むPEファーム、欧州中央銀行にも往訪した。みな様々な角度からアフリカ、ケニア市場をするどく分析し、その会社独自の解釈からビジネスチャンスをシェアしてくれた。


勿論、アフリカ市場独自の挑戦や困難も立ちはだかる。例えば、民族問題。ケニアには民族が幾つも共存している。最大のキクユ族が占める割合ですら22%と3割にもみたない。拠って、国政は混乱が生じるケースも多発する。例えばケニア危機では大統領選後の2007年から08年にかけて約1100人が死亡した。先の2013年の総選挙でも少なからず警官が発砲され死亡するケースも起こった。しかしケニアでは治安維持に向けて絶えず改革が続けられ国を挙げて治安安定に取り組んでいる。ビジネスの観点から言えば、この治安維持はまず間違いなく解決されなくてはならない命題である。


更に僕達はナイロビ最大のスラム地域にも見学に行った。街には土で作られた住居が所狭しと立ち並び、貧困と飢えと戦う人々の姿があった。しかし、彼彼女は僕達を笑顔で迎えてくれた。苦しい生活の中でも多くを望まず、大切な家族やコミュニティーの人達と日々を明るく暮らせることへの感謝を大事にしていた。「本当の幸せとは何なのか?」という問いを投げかけられている気がした。勿論、犯罪やレイプ、エイズといった問題は確かに存在する。しかしその一方で笑顔で毎日の生活を送る人達の姿は多くの衝撃と学びを与えてくれた。貧困を無視してはいけない。しかしながら貧困の中にある幸せを無視してもいけないと強く感じた。


アフリカにはまだまだ沢山の問題がある。インフラや株式市場の整備、環境問題、自然災害、そして犯罪、治安問題...etc しかしそれでも僕はアフリカに大きな可能性を感じた。それは恐らくアフリカの、ケニアの人たちの底抜けな明るさから来てるのではないかと感じた。彼らは非常に考えが柔軟で、ハングリー精神が強く、加えてフレンドリーで、公用語として英語を難なく使いこなす。宗教心が熱く、今日より明日、明日より明後日に必ず状況は良くなると常にプラス思考で物事を考える習慣がある。ケニアには中国企業が早くも進出を加速させビジネスの基盤を築こうと躍起になっている。日本もその動きにキャッチアップすべく、アフリカ市場にどんどんと今後進出していく企業が増えると思われるし、そうでなければいけない。


このSummeriumではThunderbirdの持つネットワークの広さに驚いた。いく先々の企業で卒業生が迎えてくれたり、アフリカで活躍するサンダーの非アフリカ人の方々のパーティに参加させてもらったりと至れり尽くせりだった。また途中二日間、マサイマラ族の方達と触れ合った。ケニアのカルチャーはとても奥が深く、毎日が刺激と新しい発見の連続だった。アフリカ大陸初上陸の旅はとてつもなく貴重な経験となった。


(ナイロビ最大のスラム地域キベラで出会った子供達と)

(マサイマラ族の女の子と。グラサンを反対にかけている。笑)