2012/12/12

1st Trimester 後半の振り返り


1学期が終了した。テストが終了すると同時に毎晩みんなでご飯を食べ、お酒を飲み、そしてパーティに行った。そこでのみんなのはしゃぎっぷりといえば、まるで高校生、いやむしろ中学生のようだった。笑 学期中はあまりにみんなが真面目だった様子から「アメリカ人を筆頭に外国人は勉強に慣れているからストレスとかあんまり感じないんやな」と思い込んでいた。しかしそんなこと、ある筈がなかった。あのはしゃぎっぷりから一目瞭然だった。みんなも苦しさや辛さを隠してただけなんやな、と。笑

さて、話題から逸れたがここで1学期後半の授業を振り返ってみる。


■Global Marketing Strategy

文字通りマーケティング。コア授業ゆえのベーシックな内容。しかし扱ったケースはどれも興味深いものだったし、教授の教え方も非常に分かり易かった。個人的には少しだけバックグラウンドがあったことも手伝ってか、授業内で最も発言できたクラスだった。あと前回のポストでも触れたが、グループワークを通じて沢山の学びを得た。「国民性、地域性がもたらす価値観の差異」について、深く考える機会を得た。チームメイトとのディスカッションを通じて、この「違い」を交換できた経験は貴重だった。Global市場が叫ばれる中、企業の国際化が成功するか否かの要因のひとつにこの「違いに対する認識力」があると思われる。どんなに高品質な商品やサービスを作っても、価格が安くても結局その地域の顧客が満足する価値を提供できなければ成功することない。そのことを深く学べた授業だった。


■Finance Fundamentals
正直キツかった。。テスト前はほぼ徹夜で挑んだし、NPVやFVの求め方を実践する以前に、公式や専門用語の概念を理解するのに時間がかかった。「バックグラウンド無し」を地でいった感じである。苦笑 しかしこのfinance、終わってみるともっと勉強したいという欲が湧いた。理由としてはある先輩の存在がある。テスト前にわざわざ時間を割いて実施してくれた彼の解説は、とても分かり易くおもしろかった。正直、お金を支払う義務が生じるレベルだった。苦笑 保険やローンの考え方など色々役立つことも教わることができた。お陰でテストもなんとか乗り切ることができた、と思う。(正確に言うとまだ成績が出ていないので祈ってる状況。笑)この先輩はこの期に卒業し日本に帰る予定だが、次回会う時はファイナンス談義に華を割かせれるよう、今後も積極的に学び少しでも近づきたい。


■Data Analysis
この授業は前期からの継続授業。正直授業中はチンプンカンプンだったので復習とテスト勉強には本当に苦労した。しかしここでも前述の先輩に勉強のコツを教えてもらい、学期末テストでは満足できる点数が取れた。(テストのレベルが予想より簡単だったという声も聞こえてきたが。笑)正直未だにこの授業が今後の自分にどう生きてくるのかはわからない。が、2年生によるとこの授業で扱った統計アプローチを利用するクラスが選択科目にあるとのことでそこに期待。あとこれも余談だが、この授業で知った事は「インド人の数学が強い人の頭の回転は恐ろしい程早い」ということ。笑 教授はインド人女性だったが、毎回授業の後に質問に行った際、僕が話し始めるととたんに「あ〜それはこうでこうでこうなのよ」と瞬発的に回答してくれた。「いや僕まだ二言位しか発してないんやけど」と思いながらいつも教授の頭の回転に驚いていた。ゼロの概念を発明したインド人恐るべし、である。


■Competitive Strategy
戦略の授業。テキストのリーディング、ケースのリーディングの量が膨大だったことが記憶に新しい。睡眠時間をやたらと削られた。笑 でもこの授業の教授は個人的には大好きだった。授業に対するコミットメントの求め方も自分には合っていた。「ケースをしっかり読んでこい、そして発言しろ」とdemandingな教授だったが、その用意をするだけの価値があったと思う。この教授は数あるグローバルカンパニーで戦略を描き、コンサルタントしての経験も豊富だったからか、教えの内容がいつも具体的だった。「フレームワークなんかどこでも学べる。大事なのはそれをどう応用して、どう問題を解決するかだ」と実践的なアプローチを大切にしていたのが印象に残っている。

グループ課題で僕達がマイクロソフトのモバイルデバイスの戦略立案を選び、途中stuckして相談にいった時も、「MSのモバイルデバイスが成功するか否かが最重要ではない。MSが自らモバイルデバイスを作る事で何を実現しようとしているのかを考えろ」と貴重なアドバイスをもらった。授業後、個人的に質問しにいった時にも僕の質問の意図を丁寧に汲んでくれたし、真剣に回答してくれた。今後も彼からは多くのことを学びたいと思う。


■Global Political Economy
この授業を通して僕はグローバルエコノミーとは何たるか、を学んだ。経済史に残るイデオロギーを学び、そのイデオロギーの観点を使って近現代のグローバル経済の流れを紐解いた。教授はサンダーバードで最も有名な人の一人、Prof. Dashで毎回ユーモアを交えつつ興味深い授業を展開した。毎回の授業準備には膨大な量のリーディングが課せられ、正直付いていくのに必死だった。が、後半に近づくにつれて自分自身のニュースや新聞記事を読む観点がガラリと変わっていることに気が付いた。今までは考えもしなかったことに思いを巡らせながらニュースを読んでいる自分を感じれた。

今思えば教授は初回の授業でこう言っていた。「これからの3ヶ月で君たちの視点にレボリューションを起こします。期待してGlobal Political EconomyのWorldに身を浸らせて下さい。」と。3ヶ月後、確かに僕達はそれを目の当たりにすることになった。クラスメートの多くが同じ事を口にしていた。余談だが、カナダ人生徒がリーダーシップを取りこの授業を記念してTシャツを作る事になった。この教授の顔と彼が言った名言をデザインした。更にそのTシャツを教授にサプライズでプレゼントした。学期末テストには全員でそのシャツを着て試験に臨んだ。この生徒全員の行動が彼に対する生徒からの感謝と尊敬の表しであることは言うまでもなかった。



以上、今振り返ってみたらどれも自分にとってはとても意味のある授業だったと思われる。先輩からはコア授業はあまり面白くないと聞いていたが、自分としては面白さを判断する以前に正直付いていくのがやっとだった。苦笑 アメリカ式の授業スタイル自体が初体験だったし、英語で膨大な量のリーディングをこなすこともファイナンスや統計の勉強も全てが新しい経験だった。でもこの経験を通じて、少しだけ勉強の仕方が分かってきた気がするので、来学期は更に多くを学び、吸収し、そしてクラスメートとシェアしたいと思う。


特にグループワークでは遠慮してしまったこともあったのであとから猛省した。もっともっと主張していくことが自分には必要だと感じる。日本での業務経験を通じて得た自分の感覚と沢山の顧客、先輩、後輩から学んだことをサンダーバードでもっともっとシェアしたい。そしてその考えに他国のクラスメートや教授からのフィードバックをもらうことでより「使える」知識に発展させていきたいと思う。



(Global Political Economyの学期末試験後。
例のTシャツを着てみんなではしゃいでる、の図)

2012/12/04

Marketingのプレゼン〜日本に対する理解について

今日、Global Marketingの授業でプレゼンを実施した。昨晩は緊張と準備でまともに睡眠が取れず、終わってからどっと疲れ出た。昼寝から起きて再び授業に向かうのが辛かった。笑


この授業で組んだグループは総勢8名。僕以外にアメリカ人4人(コンサル出身やアフリカでの復興事業会社出身などバックグラウンドは様々)、ブラジル人、ベトナム人、それにタイ人。僕達はLinkedInの日本進出に関するマーケティング戦略の変更を提案した。ざっくり言うと、アメリカとは商習慣も文化も違う日本において、如何にLinkedInはマーケティングを行うか?という内容。プレゼンが終わってから沢山のクラスメートから質問や意見をもらった。みんなから日本に対する興味をストレートにぶつけられて嬉しかった。


最近、よく感じる事がある。世界中の人達はまだまだ日本に関心があるし、尊敬もされていると。ケーススタディでも日本の会社の成功事例が頻繁に出てくるし、最近まで世界でGDPランキングは2位だった。こういった例だけを見ても、日本の国のサイズの(物理的な)小ささを考えると、もう奇跡としかいいようが無い。日本にいると当たり前のことに思えてたが、こちらに来てから客観視できるようになった。もう本当にあり得ないとしか言いようが無い。それ故、世界の人は日本のことが理解できないんだと思う。と、同時に自分自身も日本についての理解が浅い事に気づかされた。特に、なぜ日本はこれほどまでに経済成長を遂げることができたのか、を。


単に人材レベルが高かっただけなのか、
経営レベルが高かったのか、
はたまたマーケットが伸びていただけなのか、
官民の連携がうまくいったからなのか、
もしくはアメリカや世界機関の助けのお陰か。


グループでディスカッションしている時も、今回クラスメートからプレゼン終了後に質問された時も、文化面や人々の感覚を説明することはできた。でも、本質的な日本の「成長」に関する質問をされた時、回答に行き詰まった。僕自身、「わかったつもり」になっていたんだということに気づけた。日本の今後の成長を論じるのも大事だが、それと同等に過去についてももっと深く知ろうと思う。そしてクラスのみんなにも的確に「日本を説明する」ことが、サンダーにおける僕の役割のひとつでもあると思う。


※余談※
プレゼン中、同じく英語に問題のあるタイ人が、僕のパートの前に必死で話していた。その姿を見て、強烈にモチベートされた。彼女はグローバルな会計系コンサルファーム出身者。きっとプライドもあるだろう。本当はもっとスムーズに話したい筈。それでも、必死に立ち向かっている姿を見て、緊張しまくっていた僕も腹をくくる事ができた。目の前で話す彼女を見ながら、「アジア人の底力を見せつけようぜ!」と心の中で叫んでいた。笑