2013/05/31

ケニアで経験したこと

久々の投稿となってしまった。China Moduleを終えた後、Summeriumというプログラムに参加し、アフリカはケニアに降り立ち、アフリカのビジネス環境やケニアのカルチャーについて学んだ。


まず一言でケニアの市場を表すとそれは「日本人が想定している以上にケニア(特にナイロビ)は発展している」ということだと思う。ケニアの市街地にはオフィスが建ち並び、多くの車が道路を賑わせ、ビジネスマンが携帯電話を片手にビジネスをしている。ケニアは今まさに猛烈な勢いで加速途上を遂げている最中だった。僕達は現地のGE, Nestle, Unileverといった著名なMNCsを訪ねビジネスの環境やBOP(Bottom of Pyramid)市場についてレクチャーを受けた。いずれの企業人も皆口を揃えて「アフリカの未来は明るい。今このタイミングでビジネスのベースを作っておけば15年後、20年後に企業収益の中核を担う市場へ発展する」と唱えていた。


また、ケニア現地の農業ビジネスを展開する企業や通信企業、そしてマイクロファイナンスを営むPEファーム、欧州中央銀行にも往訪した。みな様々な角度からアフリカ、ケニア市場をするどく分析し、その会社独自の解釈からビジネスチャンスをシェアしてくれた。


勿論、アフリカ市場独自の挑戦や困難も立ちはだかる。例えば、民族問題。ケニアには民族が幾つも共存している。最大のキクユ族が占める割合ですら22%と3割にもみたない。拠って、国政は混乱が生じるケースも多発する。例えばケニア危機では大統領選後の2007年から08年にかけて約1100人が死亡した。先の2013年の総選挙でも少なからず警官が発砲され死亡するケースも起こった。しかしケニアでは治安維持に向けて絶えず改革が続けられ国を挙げて治安安定に取り組んでいる。ビジネスの観点から言えば、この治安維持はまず間違いなく解決されなくてはならない命題である。


更に僕達はナイロビ最大のスラム地域にも見学に行った。街には土で作られた住居が所狭しと立ち並び、貧困と飢えと戦う人々の姿があった。しかし、彼彼女は僕達を笑顔で迎えてくれた。苦しい生活の中でも多くを望まず、大切な家族やコミュニティーの人達と日々を明るく暮らせることへの感謝を大事にしていた。「本当の幸せとは何なのか?」という問いを投げかけられている気がした。勿論、犯罪やレイプ、エイズといった問題は確かに存在する。しかしその一方で笑顔で毎日の生活を送る人達の姿は多くの衝撃と学びを与えてくれた。貧困を無視してはいけない。しかしながら貧困の中にある幸せを無視してもいけないと強く感じた。


アフリカにはまだまだ沢山の問題がある。インフラや株式市場の整備、環境問題、自然災害、そして犯罪、治安問題...etc しかしそれでも僕はアフリカに大きな可能性を感じた。それは恐らくアフリカの、ケニアの人たちの底抜けな明るさから来てるのではないかと感じた。彼らは非常に考えが柔軟で、ハングリー精神が強く、加えてフレンドリーで、公用語として英語を難なく使いこなす。宗教心が熱く、今日より明日、明日より明後日に必ず状況は良くなると常にプラス思考で物事を考える習慣がある。ケニアには中国企業が早くも進出を加速させビジネスの基盤を築こうと躍起になっている。日本もその動きにキャッチアップすべく、アフリカ市場にどんどんと今後進出していく企業が増えると思われるし、そうでなければいけない。


このSummeriumではThunderbirdの持つネットワークの広さに驚いた。いく先々の企業で卒業生が迎えてくれたり、アフリカで活躍するサンダーの非アフリカ人の方々のパーティに参加させてもらったりと至れり尽くせりだった。また途中二日間、マサイマラ族の方達と触れ合った。ケニアのカルチャーはとても奥が深く、毎日が刺激と新しい発見の連続だった。アフリカ大陸初上陸の旅はとてつもなく貴重な経験となった。


(ナイロビ最大のスラム地域キベラで出会った子供達と)

(マサイマラ族の女の子と。グラサンを反対にかけている。笑)